はい。おきのすけです。
みなさん、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」してますか~。
iDeCoに加入するメリットといえば、絶大なる節税効果ですよね。
その1つに「掛金が全額所得控除となり、所得税や住民税が安くなる」という効果がありますが、何もせずにその効果が得られるというものではありません。
所得控除を受けるためには、「年末調整」や「確定申告」でiDeCoの掛金について申告をする必要があります。
サラリーマンなら年末調整の書類にiDeCoの掛金を記入して、必要書類と一緒に会社へ提出するだけなのでカンタンです。
でも、iDeCoに加入して初めての年末調整だと、どうしたら良いのか分からないですよね。
そこで、サラリーマンが年末調整でiDeCoの掛金を申告する方法をまとめてみました。
また、年末調整での申告を忘れたり、年末調整までに必要書類が届かなかったときのため、確定申告のやり方についてもまとめています。
年末調整でのiDeCo(イデコ)の申告方法
【ステップ1】「小規模企業共済等掛金控除証明書」を受領する
「小規模企業共済等掛金控除証明書」とは
年末調整でiDeCoの掛金について申告をする際には、国民年金基金連合会が発行する「小規模企業共済等掛金控除証明書」という書類が必要になります。
この書類はiDeCoの加入者が1年間に払った掛金(12月までの予定額も含む)を証明する書類です。
とっても重要な書類なんですけど、サラッと普通郵便で届きます……。
送り人はiDeCoを申し込んだ証券会社等ではなく、「国民年金基金連合会」なので注意が必要です。
まあ、iDeCoのキャラクター(イデコちゃん)が記載されているので、iDeCo関係の書類だと分かるとは思いますが……。
ちなみに、イデコちゃんは「おでこ」に特徴のあるシロイルカをモチーフにしているそうです。
転居していた場合は、どこに届くの?
「小規模企業共済等掛金控除証明書」は、国民年金基金連合会に9月末の時点で登録されている住所に発送されます。
転送可能な郵便物として発送されるので、転居していて住所変更の届出をしていない場合でも、郵便局に転居届を出していれば新住所に転送されます。
とはいえ、住所を変更した場合は早めに届出をしましょう。
住所変更の届出先はiDeCoを申し込んだ受付金融機関(楽天証券やSBI証券など)です。
「小規模企業共済等掛金控除証明書」が届かない場合
掛金を給与天引きにしている場合は、この証明書は届きません。
会社が掛金を把握しているので、自分で申告をする必要がないからですね。
そのため、掛金を給与天引きにしている人は、残念ながらこの先を読む必要はありません。
「小規模企業共済等掛金控除証明書」は、いつごろ届くの?
1月から9月までにiDeCoの掛金が引き落とされた場合は、10月末から11月にかけて「小規模企業共済等掛金控除証明書」が届きます。
おきのすけの場合は10月25日に届きました。
10月以降に初回の掛金が引き落とされた場合は、翌月末以降にハガキが届くようです。
一括払い(年単位拠出)にしている場合は要注意
平成30年1月からは年単位で掛金の支払いができるようになりましたが、掛金を一括払い(年単位拠出)にしている人は注意が必要です。
一括払いの場合は12月の支払いにしなければならないため、「小規模企業共済等掛金控除証明書」が届くのは翌年の1月末以降になります。
すると、年末調整に間に合わないので、サラリーマンであっても確定申告をしなければならなくなってしまいます。
「確定申告なんてダルくてやってられないよ~」という人は、支払回数を2回にしてみてはいかがでしょうか。
最初に記載したとおり、1月から9月までにiDeCoの掛金が引き落とされた場合は、10月末から11月にかけて「小規模企業共済等掛金控除証明書」が届くわけです。
なので、1月から9月までの間に1回目の掛金が引き落としされるように設定をしておけば、「小規模企業共済等掛金控除証明書」が年末調整に間に合う時期に届くようになります。
一括払いにした目的が国民年金基金連合会に支払う103円(税込)の手数料を節約するということであれば、「自分で確定申告をする労力」と「追加で103円を払って年末調整で済ませる」ことを天秤にかける価値は十分にあると思います。
👉一括払い(年単位拠出)については、コチラの記事で説明しています。
【ステップ2】年末調整書類へ必要事項を記入する
平成30年から年末調整書類の様式が変わった
平成30年から配偶者控除・配偶者特別控除の制度が変わったことにより、年末調整で提出する書面の様式が変わりました。
従来はタイトルがやたらと長い書面を提出していましたよね。
正式名称は「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」といいます。
↓コレですね。
それが平成30年からは「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」という2つの新しい様式に生まれ変わりました。
iDeCoの申告で使用するのは「保険料控除申告書」
iDeCoの申告で使用するのは「保険料控除申告書」のほうです。
書面の右下に「小規模企業共済等掛金控除」という欄があります。そこへiDeCoで払った掛金の合計額を記入します。
ちなみに「配偶者控除等申告書」と分離したことによって記載できるスペースが広がったためか、平成30年からは確定拠出年金の記入欄が「個人型」と「企業型」とで分けられました。
「保険料控除申告書」への記入方法
それでは「保険料控除申告書」にiDeCoの掛金を記入してみましょう。
記入する欄は、書面右下の「小規模企業共済等掛金控除」のうち、「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」と「合計(控除額)」の欄になります。
「小規模企業共済等掛金控除証明書」を参照して、iDeCoの掛金を記入します。
このときに記入する金額は「1月から12月までの合計金額」です。まだ払っていない予定金額についても合算して記入します。
「小規模企業共済等掛金控除証明書」に記載されている予定金額も含めた「合計金額」を「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」と「合計(控除額)」の欄へ転記しましょう。
とってもカンタンですね。
【ステップ3】年末調整の書類を会社に提出する
年末調整書類を会社へ提出しましょう
年末調整書類の必要事項をすべて埋めることができたら、記入した書類を会社に提出します。
その際に「小規模企業共済等掛金控除証明書」の添付が必要なので、忘れないようにしましょう。
なお、「小規模企業共済等掛金控除証明書」は原本の添付が必要です(コピーは不可)。
もし「小規模企業共済等掛金控除証明書」を手元に持っておきたいという場合は、会社へ提出する前にコピーを取っておきましょう。
ちなみに、会社へ提出した書類は税務署ではなく会社で保管されるので、コピーを取り忘れた場合は会社の担当者に相談するとよいでしょう。
ただ、他に使い道がない書面なので「何に使うの?」って聞かれるかもしれませんが……。
年末調整をした場合、減税メリットはいつ受けられるの?
年末調整でiDeCoについて申告をした場合は、まず12月や翌年1月の給与などで所得税が還付されます。
そして、翌年度の住民税の計算で所得控除されて住民税が軽減されます。
住民税の通知書の所得控除欄にiDeCoの掛金が載っていたり、6月分の給与明細から給与天引きされる住民税が軽減されているはずなのでチェックしましょう。
確定申告でのiDeCo(イデコ)の申告方法
年末調整ができなかったら、確定申告をしましょう。
「やば、年末調整でiDeCoについての申告を忘れちった~」とか、「証明書のハガキが届かなくて、年末調整ができなかったの。ぐすん。」なんて人もいるかもしれませんね。
そんな場合は確定申告をしましょう。
年末調整よりも手間はかかりますが、iDeCoの節税効果を受けるためには確定申告をするしかありません。
【ステップ1】確定申告に必要な確定申告書を入手する
確定申告書Aを入手しましょう
確定申告をする場合は、確定申告書を入手しましょう。
確定申告書は税務署や役所でもらうことができますが、国税庁のホームページからダウンロードをすることもできます。
確定申告書にはAとBの2種類があります。サラリーマンであれば確定申告書Aでよいでしょう。
サラリーマンがiDeCoの掛金を申告する場合や、医療費控除や住宅ローン控除を受けるような場合は確定申告書Aを使用するのが通常です。
ちなみに、確定申告書Bは主に個人事業主や不動産収入のある人が使用します。
もっとも、確定申告書Aは確定申告書Bの簡易版という位置づけなので、サラリーマンが確定申告書Bを使っても問題はありません。
e-Taxでも申告できるけど……
e-Tax(イータックス)を利用すればネットから確定申告をすることもできます。
e-Taxというのは、国税に関する各種の手続について、インターネット等を利用して電子的に手続が行えるシステムです。
ただ、e-Taxを利用するにはマイナンバーカードなど電子証明書が組み込まれている身分証明書と、ICカードリーダライタを準備する必要があるので、ちょっとハードルが高いです。
マイナンバーカードを持っている人ならICカードリーダライタを準備すれば利用できるので、e-Taxでの確定申告を検討してみるのも良いですね。
【ステップ2】確定申告書AにiDeCoの掛金を記入する
年末調整のときと同様に「小規模企業共済等掛金控除証明書」を参照して、iDeCoの掛金を確定申告書Aの第二表と第一表へ記入します。
確定申告書A(第二表)
まず、確定申告書A(第二表)右上にある「⑦小規模企業共済等掛金控除」の「掛金の種類」の欄へ「個人型確定拠出年金」と記入します。
次に、「支払掛金」と「合計」の欄に、「小規模企業共済等掛金控除証明書」に記載されている予定金額も含めた「合計金額」をそれぞれ記入します。
確定申告書A(第一表)
確定申告書A(第一表)の中段左にある「小規模企業共済等掛金控除⑦」へ、確定申告書A(第二表)の「⑦小規模企業共済等掛金控除」で記入した「合計金額」を記入します。
確定申告書へのiDeCoの掛金の記入の仕方は以上になります。
……が、確定申告をするためには、収入金額や社会保険料などのその他の必要項目についても記入をしなければなりません。
これがちょっと面倒です。
【ステップ3】税務署に書類を提出する
行列に並びたくなければ郵送で
確定申告書Aに必要事項の記入ができたら、「小規模企業共済等掛金控除証明書」と「源泉徴収票」を添付して、住所を管轄する税務署に提出します。
税務署へ持参して提出するのが一番確実ですが、確定申告シーズンは込み合っているので、順番待ちで相当待たされます。
なので、税務署で待ちたくない人は郵送で提出すると良いでしょう。
確定申告期限について
確定申告には申告期間(2月16日から3月15日)があります。3月15日の申告期限を過ぎてしまわないように注意しましょう。
なお、2019年(令和元年)分を申告する2020年は、2月16日と3月15日がどちらも日曜日のため、それぞれ翌日の2月17日から3月16日までが申告期間になります。
……と言ったものの、実はiDeCoについて確定申告をする場合は還付申告にあたるので、確定申告期限とは関係なく翌年の1月1日から5年間は申告書類を提出することができます。
掛金を一括払いにしている人は1月末頃に「小規模企業共済等掛金控除証明書」が届くはずなので、確定申告期間が始まるまでの2月上旬に確定申告(還付申告)を終わらせてしまえば、確定申告期間内に申告をするよりも還付金の振込時期が早くなります。
確定申告をした場合、減税メリットはいつ受けられるの?
確定申告でiDeCoの掛金について申告をした場合は、4月から5月あたりに所得税が還付されることが多いようです。還付金は指定した口座へ振り込まれます。
翌年度の住民税が軽減される点については、年末調整をした場合と同じです。
サラリーマンがiDeCoの掛金の申告をする方法のまとめ
いかがでしたでしょうか。
おきのすけは面倒くさがりなので、iDeCoの掛金の申告は年末調整でパパっと済ませてしまいたい派です。
年末調整であればハガキに記載されている合計金額を年末調整書類に転記して、ハガキの証明書部分を添付するだけなので、とってもラクチンですね。
ひとまず、以上!